法雨心荷 清淨本然

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養生訓

 

 

巻第六

慎病(病を慎む)

病は生死のかかる所、人身の大事なり。

聖人の慎みたまうこと、むべなるかな。

 

1予防医学

    健康な時から、病気になったときの苦しみを思い、身体を守るように心がけることが大事である。

病気になっているときのことを思い出し、病気でない今、自制し我慢をすれば病気にかからない。薬や、鍼、灸などに世話になるより、病気にならないのが一番である。

 

2 無病のときの心がけ

  病気にかかるまえに、予防をしておけば病気にはならない。病気になってから薬を飲んでも、なかなか治らない。小さな欲望を我慢しておけば、大病にかからない。大病は、辛いものだ。つらい大病のことを思えば、病気にならないように予防するのが大事である。

 

3 病気がよくなるとき

   病気がよくなっているときは、気持ちいいものである。それで気がゆるむと、病気は治るどころか重くなってしまう。病気が少しよくなっていているときも、用心が大事である。後で、後悔しても遅いのである。

 

4 一時的な快方

   一時的な幸福の後には、必ず不幸がやってくる。

 

5 はじめの養生

   病気になると、心身とも苦しい。医者を呼び、薬を飲み、鍼・灸をし、酒をやめ、減食し、いろいろと悩みながら治療をしないといけない。それを思えば、病気にならないように自制しておけば、このような苦しみを味わうことはない。万事、はじめに注意すれば後で悔いはない。ということである。

 

6 欲を慎む

   食欲、性欲の思うままにし、衣食住を考え、暮らしていれば病気にならない。自制しないで気ままに暮らし、病気になれば薬や食事に気を使っても、それはいい生活ではない。

 

7 養生を守ってくよくよしない

 

養生の道を守っていれば、健康について悩まずに暮らすことができる。悩みのある生活は、病気をまねく。万一、養生を心がけていても病気になり、死ぬことがあるときは、それが運命であったと思えばいい。運命をなげいてもしかたないものだ。

 

8 あせらず自然に

 

病気を早く治そうと無理をすると、治る病気も治らない。あくまで自然に治るのが一番である。病気以外でも、万事あわてると、よくないのである。

 

9 湿気に注意

 

暮らしている場所は、常に快適にしておくべきだ。風や暑さ寒さは、すぐに身体に悪い影響をあたえる。これに対して、湿気はすぐに身体に影響がない。しかし、身体に重い病気をまねくことがある。そして、治りにくい。注意しないといけない。

湿気のある、川辺や低地で水辺の場所からは離れて暮らすことである。床も高い方がいい。そして、住んでいるところも風通しのよいようにしておくのがいい。

文禄の朝鮮の役(文禄一年千五九二年)のときも、戦死者よりも疫病で死んだもののほうが多い。兵士たちのいた兵舎が寒さ、湿気を防がないからであった。

住んでいる場所は、高くて乾燥しているのがいい。酒や茶、湯水を多く飲んではいけない。瓜、果物、冷たい麺類は多くとらない。身体の内側にも湿気は害がある。多くとると、マラリア、熱病、下痢などになりやすい。用心することだ。

 

10 外邪と傷寒

 

チフス性疾患は、重病である。病気の中で、もっとも怖い病気である。若くて元気な人でも、チフス性疾患にかかれば死ぬことが多い。感染しないように、いつも注意していなければいけない。発病したら、すぐに十分な治療をしないといけない。

 

11 酒と中風

 

中風(半身の不随、腕または脚の麻痺する病気。)は、体内が悪いことから発生する。色白で太った人、元気のない人、40歳を越えて元気が少なくなった人、悩み事があり酒を多く飲む人や多食する人、酒を多くのみ胃腸を弱めている人などは、体内が弱くなっているのでかかりやすい。中風にかかると、手足がふるえ、身体が麻痺してしびれ、喋れなくなる。これは、元気が少なくなったからおこることである。若くて元気な人は、この病気にはかからない。

若くても、たまにこの病気にかかることがある。その人は、肥満で元気がなく酒を多く飲む人である。

この病気は、酒の飲めない人にはほとんどいない。飲めない人がかかるとすれば、肥満や元気のない人である。このような人は、常日頃から注意しておくべきである。

 

12 春の余寒

 

春になり暖かくなると、冬に引き締まっていた肌が柔らかくなる。肌に緊張がないときに、寒さが戻れば風邪をひきやすい。草木の芽も寒風に弱いことからわかるように、体を動かし血行をよくし、元気をたもたないといけない。

 

13 春の冷水

   夏は汗をかき、肌が風にさらされると熱をたくさん奪ってしまう。涼しい風に長く当たっていては、病気になりやすい。入浴したあとなどは、風にあたってはいけない。夏に食べた食物は消化が悪いので、あまりたくさん食べてはいけない。食べるものは、温かいものがいい。冷たい水、麺、生ものなどを多く食べてはいけない。虚弱者は、嘔吐や下痢に気をつけないといけない。冷水を浴びてはいけない。冷水で顔を洗うと、目を悪くする。冷水で手足を洗ってはいけない。睡眠中は、扇などで風にあたってはいけない。夜、外で寝てはいけない。外に長く座り、夜露にあたるのは害になる。酷暑のときでも、涼しすぎることはいけない。日に長くさらされた熱いものの上に座ってはいけない。

 

14 純陽の四月

   四月は春らしい月であるが、色欲は慎まないといけない。雉や鶴(今も食べているのだろうか?)などは、食べてはいけない。

 

15 夏期の養生

   夏は四季の中で一番、健康に気をつけないといけない。日射病、あつさあたり、食べ過ぎ、嘔吐と下痢、熱をともなう下痢などにかかりやすいからである。冷えた生ものはひかえて、用心するといい。夏に、これらの病気にかかると元気を失い衰弱してしまう。

 

16 夏期と薬

   6月、7月の酷暑期は(多分旧暦のことで、現在の7月8月のことだろう)、厳冬のときよりも元気が消耗しやすい。注意しないといけない。漢方薬を長く服用して、消耗を防がないといけない。この季節は、薬を用いて健康を保つようにしないといけない。ここで言う薬というのは、栄養補強剤のようなものである(多分?)。

 

17 夏の古井戸

 

夏の季節に、古い井戸や深い穴に入ってはいけない。毒性のガスが発生しているかもしれないからである。もし入らないといけないのなら、鶏の羽を投げ入れて毒性のガスがあるかないかを調べる。羽が舞うように落ちるときは、毒性のガスがある可能性があるので入ってはいけない。火のついたものを、井戸や穴に落としてから入るといいかもしれない。夏至に井戸の水を入れかえるのを忘れてはいけない。(今も入れかえている所があるのだろうか?)

 

18 秋の衛生

 

7月、8月になっても残暑が厳しく(多分旧暦で、現在の8月、9月のことだろう。)、夏になり緊張を失った肌はそのままである。秋風によって、肌が痛められることがあるので、用心しなければいけない。病人は、8月になり残暑もなくなっても(現在の9月だろう)、所々に灸ををして風邪を予防し、元気をつけ、淡や咳の病気にかからないようにしないといけない。

 

19 冬と衣服

 

冬は寒く暗く、身体の活動的な部分が弱くなる。体の中の元気な部分を大事にしなければいけない。体を温めすぎて、のぼせ、元気な力をなくすようなことがあってはいけない。衣服も温めすぎるようなことがあってはいけない。厚着をして、暖房を効かせすぎたり、熱い湯に入浴してはいけない。仕事をがんばり汗を出して、元気を消耗させてはいけない。(でも、仕事はいつもがんばらないといけないので、つらいところがあると思う。)

 

20 冬至と静養

 

冬至を過ぎてから、だんだんと春の陽気が近づいてくる。初めは小さな陽気だが、大事にしないといけない。冬至の日は、仕事は休んでゆっくりとするのがいい。冬至の前5日間と後10日間は、性交は控えるほうがいい。灸もしないほうがいい。

 

21 冬期の鍼・灸

冬期は急病でないときは、鍼・灸はしないほうがいい。12月はもっとも悪い。あんまもよくない。自分で静かに、導引(5巻11章を参照)をするのは害はない。強く荒い導引はいけない。

 

22 大晦日の行事

 

大晦日の日は、大掃除をし、朝まで家の明かりを消さず、家族でなかよく過ごす。目上の人に礼の言葉をいい、家族で「とそ」を飲み、旧年を送り新年を楽しく喜びをもって迎える。これが、守歳(除夜、夜明かしをすること)である。

 

23 発汗と風と

   熱いものを食べて汗がでてきても、風に当たってはいけない。

 

24 負傷の手当て

   高いところから落ちたり、木や石におし倒されたりしてできた傷のところには灸をしてはいけない。薬を飲んでも効果がないからだ。武器によって傷つき出血多量になった人は、のどが渇くものだが、水や粥を与えてはいけない。粥を飲むと、血が沸きだして必ず死んでしまう。刀傷・打撲・骨折・口の開いている傷には、風をあててはいけない。硬直・けいれんを起こす病気になったり、破傷風(高熱をともなう病気)になる。

 

25 冬の遠出

   冬、朝早くから遠出をするときは、酒を飲み寒さを防ぐのがいい。空腹で寒風にあたってはい$1$J$$!#

 

26 雪中での冷え

 

雪の中を歩いてひどく冷えたときに、熱い湯で足をぬくめてはいけない。火にあたってもいけない。熱いものを食べても飲んでもいけない。

 

27 頓死を防ぐ

 

急死の病気は、脳卒中・中風(6巻11章を参照)・ガス中毒・中毒・あつさあたり・凍死・火傷・食あたり・日射病・破傷風・喉頭ジフテリヤ・肺水腫・失血・打撲・小児のジフテリヤなど多い。

五絶というものもある。首をくくる縊死(いし)、圧死、溺死、就寝中の急死、婦人の難産の死である。

日頃から、これらの病気や傷害に備えておき、慌てないようにする。

 

28 奇異なことに迷わず

 

世間でいう不思議なことや奇異なことは、目の前で見たことでも、鬼や神の仕業ではない。人には精神病や眼病がある。このような病気にかかっているものには、実在しないものが見えることがある。このようなことを、聞いて信用してはいけない。

 

択医(医を択ぶ)

 

29 良医を選ぶ

 

病気に注意するだけでなく、病気にかかったときにお世話になる医者にも注意が必要である。大事な両親や自分を、やぶ医者の任せるのは危険なことである。医療を詳しく知らなくても、医術の大意を知っていれば、医者の良否はわかる。書画がうまくなくても、基本的な技術を知っていれば、書画の善し悪しがわかるようなものだ。

 

30 医者の世襲はいけない

 

医者は、人を救う職業である。自分の利益のためにする職業ではない。医療の技量が悪いと、患者を危険な目にあわす。医者は学問ができ、才能ある人がする職業である。それらができないとわかれば、医者を志してはいけない。他の職業をさがすべきである。

医者の世襲は、子孫に才能があればいいが、なければよくない。

 

31 儒学と医学

 

医者を志すものは、儒学の本を学び理解することが必要である。儒学の本が理解できないのであれば、医学の本を理解することはできないだろう。学問がなければ、医学以外のいろいろな技術も学ぶことができない。

儒学の理論をもって医学も理解しないといけない。

 

32 良医と福医と俗医

 

学問を習熟し、医学に精通し、医術に心をくばり、多くの病気を診察し、経過を見ている医者は良医である。医学を好まず、医道に精進せず、医学の本を読まず、読んでいても理解しない、新しい説に耳を傾けない医者は、いやしい職人である。医学と治療は別のものだと言い、権力者にこびを売ることで医者になったものは、福医または時医という。才能も徳もないが、運がよくて財産を築いたものと同じ人である。そのような医者を良医だと思ってはいけない。医術も疑わしいからだ。

 

33 医道に精進

 

医学の本を多く読んでも、雑で思考・工夫がなく、治療がまずいのは、悪い医者である。医学を学んでいないのと同じである。また、医学の本を多く読まなければ、医術に精進もできないでの、良医になれない。

 

34 君子医と小人医

 

医者になるならば、君子医といわれる医者になるべきだ。小人医になってはいけない。

君子医とは、人を救う人のための医者である。小人医とは、自分の利益のために医療を行い、人を救うための医療を一番の目的としていないものである。

医者とは、人を救うべき職業である。身分や貧富の区別なく、誠実な治療をするべきである。人命にかかわる職業であるから、病人をおろそかにしたり、のんびりとしてはいけない。身分が低いとか貧乏だからといって、病人をおろそかにする医者とは、医者の意味をなくしたものである。

 

35 医者・利養・治療

 

医者は、利益をかえりみず人を救わないといけないというのは、そのとおりである。しかし病人にたいし誠意をもって医療行為をすれば、自然と利益は得られるものである。

 

36 医術の工夫

 

医者になった人は、家にいるときは常に医学の本を読み理解しないといけない。病人を診察すれば、病人の症状を医学の本を参考にし、細心の注意をもって薬を処方しないといけない。病人を引き受けたなら、他のことに気がそがれることなく、治療に専念することである。医者とは常に医学を専心に学ばなければ、医業は進歩しないのである。

 

37 医術の心得

 

医者でなくても、薬の知識をもっていると、養生の点から人を助ける役にたつ。しかし本業でないから、病人には良医を紹介するのがいい。急をようする病人や無村医などでは、救急用に薬を処方することができれば人の役にたてるから、ひまな時間があるなら医学の本を読んでおくことはいいことである。

医学を知らないので医者の良否がわからずに、やぶ医者を選んでしまい、間違った治療のために死んでしまった例は多い。(現在もこういう例はあると思う。)怖いことである。

 

38 良医は医学十年の労を積む

 

どのような身分のもとの子供でも、その子供に才能があるのなら医者を目指すための環境を整えてやることだ。儒学の本を読ませ基礎的な学力をつけさせ、医学の本を学ばせる。名医のもとに10年間、入門させ医学を学び医術を学ばせる。医学と臨床実習を合わせて20年もすれば、かならず良医になれる。

そうすれば自然に名声が高くなり、地位の高い人や立派な人に招かれ、人々から敬愛され、信用を得て報酬も多くなる。生涯、ゆたかに暮らせるだろう。このような医者は、国家の宝である。

どのような身分のものでも良医を目指すのであれば、早く出世できるのである。

それと反対に、簡単な医学の本を少し読み、薬の知識も少ないが、見た目や、もっともらしい動作のみで病人と接し、口先だけで地位や財産を持つものに近づいていく医者は、生涯とるに足らない医者で終わるであろう。こうしたつまらない医者は良医をけなすことが多く、卑劣で、人の生命をあずかる医者としては最悪なのである。

 

39 俗医の学問嫌い

 

俗医とは、医学を嫌って学ばない。簡単な医学の本を読み、薬の処方を40から50くらい覚えると、病人の扱いに慣れてくれば、通常の病気を治療するのは上手である。医学の本をよく読んでいても、病人の扱いになれていない医者よりも優れている。

しかし俗医は、診断を間違うことがある。診断に困るような病気や奇病には、力を発揮できない。(俗医を悪いと決めつけるのは難しいと思う。簡単な治療をもとめるのであるなら、かえって俗医のほうがいい場合が多いのは確かだろう。)

 

40 医者を志す人

   医者になる人は、まず志をたてる。ひろく人を救済するには、どのような人に対してでも誠心誠意とりかからないといけない。医学を学び、医術に精通すれば、無理にへつらったり、世間にもとめなくても、人望は自然に得られる。そうすれば、かぎりなく幸せであろう。自分の利益を求めるのを目的としたら、人を救う気持ちもなく、信用もなくすであろう。

 

41 貧者と愚民と

   貧しい人は医者にかかることができずに死ぬが、愚かな人はやぶ医者に誤診されて死ぬものが多い。

 

42 医術と博学であること

 

医術は、医学書をたくさん読み考えないと、上達しない。精密に理解しないと、医術を極めることはできない。博学と精緻とは医学を学ぶためには必要である。医学を学ぶ人は、志を大きく持ち、医術の細かいところまで理解しないといけない。

 

43 日本の医学と中国の医学

   日本人の医者が中国人に及ばないのは、学問をする努力が負けているからだ。とくに、近世(貝原益軒の生きていた時代)は日本語の治療書が多くあるので、難しく古い中国語の治療書を読まなくなってきた。これでは、日本人の医者の技量が悪くなる。原因としては、仮名文字ができたから難しい漢書を読める人が少なくなったから、と思える。

 

44 医学なき医術

 

医学の本をいくら読んでも、下手な医者はいる。まして医学の本を読まないで上手な医者になれるはずはない。

 

45 医者は仁の心をもつ

 

医者は、慈愛の心をもって仕事をしなければいけない。名誉や利益を求めてはいけない。重病で薬の効果がないとわかっていても、気休めかも知れないが薬を多く与えて安心させるべきである。病人を失望や落胆させてはいけない。

 

46 古法を重んずる

 

医学を学ぶには、昔の方法を理解し学び、昔の治療法を参考にして工夫するのがいい。また時代にあった治療法や、人や場所による治療をし、名医の治療法を参考にすれば間違いは少ない。

昔のことを無視するのも、現在の治療法を無視するのも、ともによくない。温故知新と言う言葉にもあるとおりだ。

 

47 投薬の適中と偶中と

 

良い医者ならば、病気にあった薬を投与してくれる。悪い医者の、たまたま投与した薬が病気に効果があったとしても、それは運が良かっただけで、普通は病気にあわぬ薬を投与されることがほとんどである。

 

48 医者と時勢

 

医者になろうとするものは、運やタイミングがよくて医者になったものを、うらやましく思ってはいけない。名誉や財産をそのように築いたとしても、その医者たちの多くは、悪い医者であり、医術はすたれていくのである。

 

49 みな医術を学ぶがよい

 

いろんな技術や芸には、日常の生活において無益なものが多い。ただ、医術だけは無益なものはない。医学生でなくても、医術を少しは学んでおくことだ。儒教を学んでいるものは、世の中のことを何でも知っておかないといけない。それゆえに、医学を学ぶものは、儒教の教えを学ばないといけない。

医術を知っていれば、自分の養生やまわりの人たちにとっても有益である。いろいろな技能の中で、もっとも役にたつものである。

しかし、専門の医学生でないから、むやみに薬などを用いてはいけない。

 

50 医学生と医書

 

医学の本は『内経』と『本草』を基本にする。前者が、医術・病気のことについての本。後者が薬についての本である。それ以外にも、たくさんの医学の本を読まなければいけない。

 

51 『千金方』は医の良書

 

『千金方』とは、孫思ばくという古い時代の名医が書き残した本で、養生の方法や治療法が記してある。これは大いに参考にすべきである。たまに間違ったところもあるが、すばらしい点のほうが多い。孫思ばくが、100歳を越える寿命を持ち得たのも、養生の術に長けていた証拠であろう。

 

52 日本の医書刊行

 

日本で最初に認められた医学の本とは『千金方』であった。1582年に印刷され始めた医学の最初の本は、『医書大全』である。1629年以降、一枚板に刻んで印刷した医学の本が増えてきた。

 

53 医書の選択

 

いろいろな医者の書いた書物には、短所や長所な内容がたくさんある。だから、一人の書いたものばかり読まず、たくさんの本を読み、いいところを参考に、悪いところは除外しないといけない。そのようにして、編纂した医学の本は社会の宝となる。

医学の本には、同じような内容の本が多い。無用なことが書いてあるものも多い。それらを読むのは無駄なことになることが多いから、疲れる。それらを無駄なく要点だけを集めた本を作ることのできる才能を持った人は、世間にかならずいると思う。(これは、貝原益軒自身のことを言っているのではないか。そうだとすれば、自分で自分を誉めているようで、茶目っ気がある。)

 

54 医書の長短

 

『局方発揮』が出版されてから、古い『和剤局方』が見られなくなった。『和剤局方』は、古い医学を学ぶ上で役に立つから捨ててはいけない。しかし、烏頭(薬にもなるが毒)・附子(婦人のお歯黒に使う)を多く紹介しているので、そこはよくない。

いろいろな医学の本があるが、時代にあったものは取り入れ、時代に合わなくなったものは採用しないようにする。

 

55 他医をわるくいわないこと

 

前の医者が間違った治療をしていても、それを攻めてはいけない。他人をおとしめて自分を誇示するのは、悪い癖で人から軽蔑される行為である。

 

56 薬の選択

 

昔の人の説にはいろいろあり、一定でない。病人にあわせた治療、投薬、食事を選んで使用すべきである。だから、昔の人の説を一概に悪いと決めつけるのはよくない。

 

57 医術の三要点

 

医術は学ぶことが多い。要点は三つある。

病理学、診断学、治療学である。運勢や血管の道筋も次に大事である。

あと、名医の諸説も大;v$G$"$k!#

薬の処方や、病人の食物の取り方、健康な人の病気への予防なども知っていること大事である。

 

58 上医・中医・下医と薬

 

病気になっても医者にかからないのは、中医にかかっているのと同じだ。病気になれば、上医(技術のすぐれた医者)に薬を服用してもらわないといけない。最近は上医が少なく、薬を服用してもらう医者がいないから、医者は無用だと思われている。しかし、それは間違いである。簡単な風邪や咳などの症状ならば、上医でなくても誤診せず正しい薬を服用できるのである。また、そのような時に使う薬は、間違って服用してもあまり害はないであろう。

 

 

 

 

 

巻第七

 

用薬

 

1 薬と病状

 

人の体は、病気にかからないとはいえない。病気になったら医者を呼んで治療を求める。医者には、上中下の3種がある。上医は知識と技術を持っており、これによって病気を治療する。上医は、この世界の宝であり、その功績は宰相につぐものだ。

下医は、知識も技術も持っていない。それゆえに、むやみに投薬して誤診することが多い。薬というものは、人のバランスを崩す。バランスが崩れることにより、病気を治療する。もし薬が病気にあっていなければ、薬は毒になってしまう。

中医は、知識や技術で上医におよばないが、薬をむやみに使用することがいけないことを知っている。それゆえ、病気にあわない薬を投薬することはない。中医は自分の知らない病気に対しては、治療できないし、しないのである。

病気にかかったときは、すぐに治療して楽になりたいが、医者の善し悪しを考えずに治療を受けると、逆に悪くなることがある。悪い医者にかかるくらいなら、自然に治るのを待つ方がいい。

 

2 薬の濫用は危険

  薬を、意味なく使うと体の調子を崩し病気になってしまう。

 

3 庸医の薬

 病気にかかっても、名医がいないときは薬を飲まず、ただ病気が治るのをまつべきだ。早く病気を治したいと思って、医者を選ばないのはよくない。

悪い医者は、病気にあう薬を出すことはまれである。

薬は、体の調子を変える性質がある。それで病気を治療するのであるが、病気にあわない薬を服用したら治るどころか悪くなってしまう。病気の害よりも薬の害のほうが大きくなってしまう。薬を用いないで、慎重に養生すれば薬の害を受けずにすみ、病気も早く治るであろう。

 

4 良医の投薬

 

良医が薬を使用するときは、病人の症状をみて臨機応変にその時によい薬を使う。一つの方法にとらわれない。古い考えを、かたくなに信じてはいない。

とはいえ基本をしっかりとらえないと臨機応変に対応できない。古い考えもよく、しっていることも重要である。温故知新と言う言葉のように。

 

5 補薬より食補を

 

胃腸を整えておくには、ふつうの食事をしていればいい。薬を常用していてはいけない。たとえ高価な薬であっても、病気にあわなければ胃に負担をかけるし、食欲もなくし、病気にもなる。強力な効果を持つ薬は、人の体にも負担が大きい。病気でないなら、薬を使う必要はない。ふつうの食事のほうが、いい。

 

6 自然治療

 

薬を飲まなくても自然に治る病気は多い。これを知らず、むやみに薬を使い、かえって病気を悪くし、食欲をなくし、病気が治らずに死んでしまうものが多い。薬を使うのは慎重にしないといけない。

 

7 病気のはじめと良医

 

病気にかかったときは、始めにその病気の症状を詳しく知る必要がある。診断をして正しく病気の症状がわかるまでは、薬を使用してはいけない。間違った薬を使用すると、病気を悪くすることがある。最初に正しく診断することが大事である。それも早い時期にするのがよい。

 

8 衛生の道ありて長生きの薬なし

 

生まれもっている寿命を延ばすための薬というものはない。長生きの薬として、使われているものには効果はない。かえって体を悪くする。養生とは、生まれもった寿命を保つことである。(将来、本物の長生きの薬はできるかも知れない。それまで長生きしていたいものです。)

 

9 薬の良否

 

薬屋にある薬にも、善し悪しもあるし、本物も偽物もあるから注意しないといけない。さらに薬の製法で、おなじ薬であっても違う性質になる。また、人によって薬の効果が違うこともあるので、気を使う必要がある。

土地や季節によって食事の味が違うように、人や症状や時期によって薬の調合を変えることが大事である。

 

10 薬の煎じ方

   どのような珍味でも、調理の方法が悪いと味はよくない。どれだけよい薬であっても、その調合が悪いと効き目がない。新鮮な薬の材料を、短時間に、ちょうどいい温度の火で煎じるのがいい。滋養強壮的(栄養剤?)なものは、十分に熟したものを長く、低めの温度で煎じる。

 

11 薬量

   薬剤の量は、日本人の体型に合わせて中国の医学書を参考にして決める。中国の人は、日本人より壮健で胃腸が強いので、薬の量は中国の人よりも少ないほうがいい。日本には中国のように薬の材料が多くなく、輸入しているものなども多いので価格が高くなる。それゆえに、薬の量を少な目にしている。日本の医者は中国の医者よりも劣るので、誤診したときに多くの薬を服用させていると問題である。それゆえに少な目にしている。などと言われて、日本の薬剤の量は中国のものよりも少な目になっている。

 

12 日本人と中国人

   日本人は、中国人のように壮健で胃腸も強くないので、薬を少なく服用するのがいい。とは言っても、体型はそれほど違わないのだから、薬の量が半分もないというのは少しおかしい。栄養剤のようなものも、量が少なければ効くものも効かない。また病気の症状が重いときは、少ない薬ではいけない。一杯の水で、おおきな火事を消すことができないのと、同じである。砒素の毒は、3.75グラム服用すれば死んでしまう。しかし、これより少なければ死なない。フグも、多く食べなければ死なない。強い毒でも少なければ、効き目は少ない。まして効果の弱い薬を少なく服用して病気が治るであろうか。現代(貝原益軒の生きていた時代)の医者は、病気にあった薬を使用するが、早く治らないときは、薬の量が少ないためではないだろうか。(今は薬の量はとても多くて、必要以上に薬を使っているように思う。)

 

13 利薬の分量

 

あまり科学的ではないが、強い薬の一服の分量は5.6グラムから7.5グラムくらいがいいと思う。その間の増減は病気の人の体格や体力で決めればいい。

 

14 補薬の量

 

滋養強壮剤の一服の分量は、3,75グラムから5.6グラムくらいがいい。のどを通りにくい時は、すこし減らしてもいい。薬と滋養の二面性のあるものは、4.5グラムから6.7グラムぐらいがいい。これも人の体格や体力で増減させればいい。

 

15 婦人の薬量

 

婦人の薬療は、男性より少な目でいい。強い薬は4.5グラムから6.7グラム、滋養強壮剤の場合は、3.75グラムから5.6グラムくらいがいい。気力、体力とも強い人は、これよりも多く服用する。

 

16 小児の薬量

 

小児の薬の量は、1.8グラムから3.75グラムまででよい。これも子供の身体の大小によって増減すればいい。

 

17 薬を煎じる水量

 

大人の、強く効く薬を煎じるとき、水は一服の量に対して309グラムから337.5グラムを用いる。あるいは強い火力で煎じるときは、206グラムから225グラムの水で煎じ、それを二回に分けて服用する。かすは、捨てること。二度、煎じてはいけない。

病気が重いときは、朝夕に二回かそれ以上でもいい。高熱がありのどが渇く病気には、その症状に合わせて多く服用してもいい。

滋養強壮剤を煎じるには、187.5グラムから206グラムの水でいい。一服の量の大小で増減を決めればいい。虚弱体質の人は、少な目の水で煎じるといい。

体質的に強い人は、一服に400グラムの水で煎じ、それが半分の量になるまで弱い火で煎じる。かすは200グラムの水で煎じ、それも半分になるまで煎じる。それらをあわせて250グラムになったものを、胸につかえないように少しずつ服用する。空腹時に熱くさせ(滋養強壮剤の温度を上げるのか、体温を上げるのか不明?たぶん前者だと思う)3,4回にわけて服用する。また栄養剤は、一日に一服。もし、飲みにくいのらな、昼間に二度飲めばいい。日が短い時期は、病人の症状を決めて回数を決めればいい。また飲みにくいことがない人は、それ以上服用してもかまわない。しかし、食もたれしているときは服用してはいけない。

 

18 補薬の使用法

 

滋養強壮剤は、胃もたれになりやすい。そうなっては、害になるだけである。強い効果の薬を飲むときは、注意しなければいけない。一回の服用する量が多いと、血流が悪くなるときは少なく服用する。人参や甘草(マメ科の多年草で鎮痛・鎮咳に効果がある)、オケラ(キク科の多年草、根が健胃薬)などは飲みにくい。そんなときは利尿・強壮剤をとらずに、生姜(食用・香辛料、健胃剤・鎮嘔剤)やクス科の植物(どのような植物か調査中?)を多くとればいい。

病気によっては、トリカブトの根を乾かした生薬(いくくすり、起死回生の薬)・肉桂(クスノキ科の常緑高木、香辛料・健胃薬・矯味矯臭薬になる。)を少し加え、升麻(「うたかぐさ」、ウマノアシガタ科、根茎を解熱、解毒に用う)・柴胡(「さいこ」、セリ科、根を解熱に用う)を取り除いて、肉桂と生姜を加えることもある。そうすると、滋養強壮剤の効果がよくなる。

虚弱体質な人や、熱のない病気のときには薬の効きをよくするために、1.9グラムから3.75グラムくらい加えるといい。もちろん病状によってである。健康な人には使わないのがいい。

 

19 身体の大小と薬量

 

身体が小さく胃腸も小さくて虚弱な人には、薬の量は少なくていい。少ないといっても3.75グラムより少ないのもよくない。逆に体格もよく胃腸も強い人には多くてもいい。

 

20 小児の利薬・補薬の煎じ方

 

小児の薬は、187グラムから206グラムくらいの水で煎じたものがいいい。よく効く薬の場合は、7分間煎じ2,3度に分けて服用する。かすはすてる。栄養補強剤は281グラムから309グラムの水で煎じ、その量が半分になるまで煎じて使うといい。

 

21 時宜にかなった服薬

 

中国の父母の喪は、必ず3年である。日本は古い朝廷(いつの朝廷かは調査中?多分、室町時代以前だと思う。)の時代に喪は1年と定められた。それは、日本人は気力、胃腸が中国人より弱いためである。それは、理にかなったことである。

しかし日本人であるのにもかかわらず、喪を三年するものがある。すると、多くのものが病気になり死んでしまった。死んでしまっては父母に対して不孝である。

これと同じように、薬の使用量も日本の風土にあわせ、中国の半分でいい。一回の使用量は、3.75グラムから7.5グラムくらいでいい。病人の症状、体力によって増減すればいい。決められたことを守るよりも、状況をよく考え患者と接するのが大事である。

 

22 日本人の薬量

 

今まで述べてきたような薬の分量、水の量を医学生でない私(貝原益軒)が言っているのは軽率で僭越だと言われるが、いまの日本人の体格や体力を思うとこれでいいと思う。識者は、古今を考えて薬療の効果の強弱、量の大小を定めてもらいたい。(現在も同じことがいえるだろう。現在の薬学の専門の人のいうことを聞いたほうがいいかもしれないが、自分にあった薬を、本当に考えてくれる医者に任せた方がいいのかもしれない。)

 

23 煎薬と四味

 

煎じ薬に加える、香味料がある。甘草(マメ科の多年草で鎮痛・鎮咳に効果がある)は、毒素を消し、胃腸を助ける。生姜は薬の効果を全身に早く導き、胃の負担を減らす。棗(食用・強壮剤)は、元気を補い胃を丈夫にする。白ねぎ?は、寒さや風を防ぐ。灯心草(「とうしみそう」、イ草科の植物)は利尿によく効き、(何のだろう?、多分、下腹だと思う。)腫れをとる。

 

24 泡薬の使用法

 

今日(貝原益軒の時代)、医者の間に泡薬の法がある。薬剤を煎じないで、煮えたった湯にひたすのである。(紅茶のティーパックのように?)世間で使う振薬(次の25章を参照)ではない。振薬よりも優れている。その方法は、薬剤を細かくきざみ、目の細かいふるいをかけて、残ったものをさらに細かくきざんで粗粉(つくりあがらないもの、まだ完成品ではない)をつくる。布に薬袋をひらいてきざんだ薬を入れて、湯煎したお椀に薬袋を入れて、その上に沸騰した湯を少しそそいで、薬袋をうらがえし、そしてもう一度沸騰した湯を少しそそぐ。熱湯は二回でお椀の半分くらいでいい。薬液が自然にしみ出してくるのをまつ。しぼりだしてはいけない。蓋をして、しばらく待つ。長いと、薬液が出過ぎて効力がなくなる。ほどよく薬液がでて、熱湯が少し冷めて温かいうちに飲むのがいい。このように二度ひたして二度にわけて飲む。そのときのかすは捨てる。袋のかすをしぼってはいけない。薬液が濁ってよくない。しかし、薬の効果は強くなるから強く効く薬が必要ならいい。外傷からの病気、食中たり、腹痛、日射病などの病気には、熱湯をそそぐよりもいい。振薬は用いてはいけない。薬汁が早く薬力が強くなるからである。茶を沸騰した湯にひたして、そのはじめのものを飲めば、茶の成分が濃く味もよい。長く煎じると茶のよさも味も悪くなるのと同じである。

 

25 振薬の法

 

振薬とは、薬を袋に入れ熱湯につけて、はしではさみつけ、しきりに振り動かし、薬汁を出して服用する方法である。自然にしみ出して出来たものでないので、薬湯は濁って薬の力がすぐに発揮できない。滋養強壮剤は、通常の煎じ方で十分に煎じるのがいい。泡薬(前の24章を参照)にしないほうがいい。いずれにしても、煎じた薬を入れる袋の目はきめ細かい方がいい。中国には泡薬のことを記したものはないが、今の時代にあっているのなら、病状しだいで臨機応変に使ってもいい。

 

26 補薬と利薬

   滋養強壮剤または栄養剤は、長く煎じると人の身体に吸収されやすくなるのでいい。また強い効き目の薬は、薬剤の成分を壊さないように生のままがいい。

 

27 補薬の飲み方

   滋養強壮剤は、煎じた湯が温かいうちに少しずつ飲めば飲みやすい。少しずつ飲んでゆるやかに効果を得ればいい。一時に多くを服用してはいけない。服用するときは、酒や食事を多くとってはいけない。また消化の悪いものもいけない。薬の効果が薄れるし食欲がなくなると、病気が重くなる。節制が必要である。

良医は、滋養強壮剤などの使い方が上手である。やぶ医者は、使い方が下手で効果がないばかりが害になる。古い時代の人たちは、滋養強壮剤と同時に薬を服用させていた。薬の力で体の悪いところがなくなるので、滋養強壮剤が体に吸収されやすい。薬を併用しなければ吸収されにくく、かえって害になると、古い時代の人たちは言っていた。(現在は気軽に滋養強壮剤を使用しているが、本当に体のためになっているのかは疑問だ)

 

28 利薬の飲み方

   よく効く薬は、強い火で煎じ多く飲んで早く効果を上げるのがいい。

 

29 丸薬と散薬と煎湯と泡薬と

 

およそ丸薬は、性質がもっとも穏やかで、その効きめはおそい。胃腸の最後まで薬がとけずに届くから、胃腸の消化不良を治す。散薬は細かな粉薬で、丸薬よりも早く効果がある。しかし特異な循環系統には効果がいきにくい。上部の胃腸の病気に効果がある。湯で煎じた薬はさらに早く効く。上中下、胃腸、特異な循環系統によく効く。泡薬は、さらによく効く。外傷からの病気、日射病、食中たり、腹痛のさい服用するといい。

 

30 薬の服用

 

病気が身体の上部にあるならば、食後の少しずつ服用し多く飲んではいけない。中部にあるときは、食後一定の時間に服用する。下部にあるときは空腹時に何度も多く飲んで、下部まで薬がいくようにする。手足・血管の病気のときは、日中の空腹時に服用するといい。骨髄の病気のときは、食後、夜に服用するといい。もし、薬が飲みにくく逆流するようなら、少しずつゆっくりと飲めばいい。急に多くを飲んではいけない。

 

31 薬を煎じる人

 

薬を煎じるときは、焼き物の鍋を使う。また煎じる人は、そそっかしい者にやらせてはいけない。

 

32 薬湯・丸薬・散薬の用い方

 

薬を服用して五臓・手足まで効かすには、薬湯を用い、胃の中に留めおくには散薬を用い、胃腸の奥の病気には丸薬を用いるのがいい。急速な病気には薬湯、ゆるやかな病気には散薬、もっともゆるやかな病気には丸薬がいい。食中たり、腹痛などの急病には薬を煎じた湯がいい。または散薬もいい。丸薬は効きめが遅いので、使用するなら細かくくだいて使うといい。

 

33 中国と日本との薬剤調合

 

中国の医書の中の薬剤の分量を書いたものをみると、一回の服用する量がとても多い。煎じて使う薬も水の量がとても少ない。それで、とても濃い。ものによっては一回の服用する量が日本の10回分のものもある。

 

34 中国と朝鮮の煎法

 

朝鮮の煎じ方も中国のものと同様である。

 

35 煮散の法

 

中国では煮散という方法を使っている。煮散とは、薬を粗い粉にし、目の細かい布の薬袋に入れて、熱湯の沸騰したものに入れ、しばらく煮て薬汁が出てきたときに取り上げて服用するのだと思われる。薬汁が早く出て、その出始めに飲めば薬の力は強い。長くおくと薬の力は弱くなる。

この方法は、よく効く薬を煎じるときによく、薬の力は強いはずである。補薬はこの方法はよくない。

 

36 甘草の使用量

 

甘草(マメ科の多年草で鎮痛・鎮咳に効果がある)は、今の時代(貝原益軒の生きている時代)の俗な医者は中国の10分の1しか使わない。あまりに少ないので補薬にならない。せめて5分の1は使うのがいい。あとは、人の症状や体力をみて加減すればいい。

日本人は中国の人より体力気力ともに弱いので、純粋な補薬だけでは体に受け付けにくい。そこで甘草や棗(食用・強壮剤)を、ほどよく加える。甘草はあまく、腹が張るのを防ぎ?(防がないのかも)、薬の効力を薄めてくれる。

 

37 生姜の量

 

生姜は薬一服に一切れ、もし寒さや風を防ぐためや、痰を抑えるのに使用するなら二切れ用いるといい。皮をむきとってはいけない。乾いたものと干したものは使ってはいけない。生の生姜は、補湯に二分、利薬に三分、嘔吐の症状には四分付け加える。

 

38 棗の使い方

 

棗(食用・強壮剤)は、大きなものを選んで用い、種を取り去って一服の薬に半分を使うのがいい。食通が悪くなる症状には使用しないのがいい。強い薬には用いないのがいい。中国では強い薬でも使うとあるが、日本人にはよくない。加えると薬の力も弱くなる。腹がはる、消化不良、薬が飲みにくい人には用いるのは禁物である。竜眼肉(りゅうがんの種子、ムクロジ科の常緑高木)も、食通が悪いものには使用してはいけない。

 

39 中国と日本との味つけ

 

中国の料理書に書いてある料理の方法は日本のものと違って、みな脂っこくて味付けも濃く、膳立ても甘美である。(食品を膳に配置するセンスが、感覚的に甘く快く感じられること。もしくは、味が甘くよいことなのかもしれない。?)その味もひどく重くてくどい。中国人は胃腸が強いので、このような料理もよく消化する。

日本の人はこのような料理を食べると、元気な若い人でもすぐに満腹し、消化不良になって病気になるであろう。日本人には、淡泊で軽い食事がいい。料理人の腕前も、味の軽いものがいいとする者を優れた職人とする。これは中国と日本の風土や気風の違いからである。だから、補薬を小服にして甘草(マメ科の多年草で鎮痛・鎮咳に効果がある)を少なくし、棗(食用・強壮剤)は少し用いるようにしないといけないのは当然である。

 

40 煎じ薬と水の選択

 

薬を煎じる水は、新鮮で清らかで味の良いものにしなければいけない。早朝にくむ水を井華水という。この水で薬を煎じるのがいい。また茶や吸物を煮るにもいい。新汲水は、夜明けでなくても新たに汲んでまだ器に入れていないものをいう。これもいい。器に入れて長く時間をおいたものは使用してはいけない。

 

41 利湯と煎じ滓

 

貝原益軒の生きていた時代の世間では、効果の強い薬を作るにも、煎じたかすに水を206グラム入れて、それを半分になるまで煎じ、それを別に煎じていたものをあわせて服用する。でも、かすまで煎じていては薬の力は弱く病気が治りにくい。一度煎じたなら、かすは捨てるのがいい。

 

42 生姜の用法

 

生姜を小さく分けるときは、根の肢の多いものがよく、その中の一肢を縦に長く割って大小にしたがって三つか四つに分ける。なお医書に、生姜の分量に重さを使わずに片を用いるのは、生姜を掘り出したときは重く、日がたったものは乾いて軽いのからだ。それゆえ幾分といわずに幾片というのである。

 

43 棗をとる時期

 

棗は少し赤くなったものをとる。熟す前にとり、日に長く干しよく乾かす。さらに蒸し、もう一度干す。十分に乾いていないものは蒸してはいけない

薬局や店で売っている棗は、未熟なものを干しているのでよくない。棗の樹は、必ず自宅の庭に植え、熟す前のよいものをとる。

 

44 服薬と酒食と

 

およそ薬を服用したときは、すぎに飲食をしてはいけない。また薬の効力がまわっていないときに酒を飲んだり食事をしてはいけない。そしてまた薬を飲んですぐに横になり眠ってはいけない。眠ると薬の力がまわらずに害になる。気をつけることだ。

 

45 薬とともに食べてはいけない食物

 

薬を飲むときは、朝夕の食事は日頃よりも注意して選ばないといけない。脂の多い魚、鳥、獣(豚などと思う?)、なます、さしみ、すし、肉びしお(肉を塩漬けしたものだと思う?)、塩から、なまぐさいもの、堅いもの、すべての生の冷えたもの、生菜で熟していないもの、古くてわるいもの、色と臭いがわるく味の変わったもの、生の果実、つくり菓子、あめ、砂糖、餅、だんご、胸につかえるもの、消化しにくいものは食べてはいけない。

また、薬を飲む日は、酒を多く飲んではいけない。日が長いときも、昼の間に菓子や点心(正食の前にとる簡単な食物)を食べてはいけない。薬力がまわっているときは、食事をひかえるのがいい。点心を食べると、昼間に薬の効果がまわらなくなる。また、死人や産婦などを見ると、気分が悪くなり薬の効力がなくなる。用心して見てはいけない。

 

46 補薬と利薬の煎じ方

 

補薬を煎じるには、堅い炭などで強い火を使ってはいけない。かれた芦の火、枯竹、桑の柴の火、あるいは消し炭などのやわらかい火がいい。激しく燃える火を使うと薬力を失う。また、強い成分の薬を煎じるには、堅い木、堅い炭などの強い火を用いるといい。これは薬力を増やすことになる。

 

47 薬量と身体の大小と病状と

 

薬一服の大小・軽重は、病状・体格・体力により増減する。補薬は少しずつ服用し、ゆっくりと効果をあげるといい。多く使うと、食通をふさいでしまう。発散(ちらし薬、腫れや痛みなどを散らして癒すのに用いる外用薬)・下剤・便秘薬などの効果の強い薬は、多く飲むといい。早く効果を出すのが大事である。

 

48 薬を煎じる器

 

薬を煎じるには磁器(有田焼・九谷焼の類、少しもったいない気もする。)がいい。銅を嫌わない薬なら、古い銅器でもいい。新しい銅器は、よくない。薬鍋といわれるものは、銅が厚いのでよくない。薬を入れておく缶というのは銅が薄く、小さいものがいい。

 

49 利薬の煎じ方

 

効果の強い薬を長く煎じ詰めると、薬のもっている力をなくしてしまう。煎じないで煮て、薬の力があるうちに服用すればいい。茶を煎じ、生魚や豆腐を煮るのと同様である。煎じすぎたり、煮すぎたりすると味が悪くなるし、消化も悪くなる。

 

50 解毒に水を

 

毒に当たって薬を用いるときは、どんなことがあっても熱湯を用いてはいけない。冷水がいい。熱湯だと毒の力を増すことになるからだ。

 

51 中毒と応急処置

 

食物の毒やその他すべての毒に当たったときは、黒豆や甘草(マメ科の多年草で鎮痛・鎮咳に効果がある)を濃く煎じ、それが冷めたときに何度も飲むといい。熱いのは飲んではいけない。竹の葉を加えるのもいい。もし毒を消す薬がなければ、冷水を多く飲むのがいい。そして多く嘔吐するのがいい。これは古い時代の人が応急処置として伝えている方法である。知っておかなければいけない。

 

52 酒と煎湯

 

酒を煎じる湯に加えるのは、薬を煎じ終えたときに加える。早くから加えてはいけない。

 

53 腎臓を養う方法

 

腎臓は水を支配する。内臓が活発に活動すると、精液もたくさん作られる。腎臓にだけ精液があるわけではない。それゆえに、腎を助けるために腎臓の薬だけを用いてはよくない。腎は、身体の基本である。それゆえに、これが弱ると虚弱になる。

養生とは虚弱になることではない。腎をよく保養すべきである。薬と食事療法では腎はよくならない。精気をおしむことだ。

 

54 散薬と丸薬との効用

 

粉末の散薬は、血液にまでまわらない。身体の下部の病気には、大きな丸薬を用いる。胸からへそまでの上腹部の病気には、それにつぐ大きさの丸薬を用いる。胸から上の部分の病気を治療するには、きわめて小さな丸薬を用いる。薄い糊で製薬した丸薬は早く消化させたいときに使い、じわじわ消化させて中・下部の病気に使うときは濃い糊で製薬したものを使う。

 

55 散薬と丸薬の効用

 

丸薬は、胸から上の病気には、細かく砕き、やわらかくして、消化しやすいようにする。胸からへそまでの病気には、小さな丸薬で堅い方がいい。身体の下部の病気には大きな丸薬で堅いものがいい。

湯で煎じた薬は、慢性の病気にいい。粉薬は、緊急を要する病気に用いる。丸薬はゆるやかな病気に用いる。

 

56 薬の調合と秤

 

中国の秤も日本の秤も同じものである。薬の調合は一服の分量を決めてから、それぞれの品の成分の重さを決める。重さを量るには、きわめて少量をはかれる秤を使う。薬は、大きさではなく、重さを基準にする。

 

57 香の効用

 

いろいろな香が鼻を楽しませるのは、いろいろな味が口を楽しませるのと同じである。香りによっては、心の平静を助け、落ち着かない心を静める。悪臭を消し、けがれを取り除き神明に通じる。(宗教的なものに、香が使われるのもわかる気がする。)

ひまがあれば静かな部屋に座り、香を焚いて黙座るのは、風雅な趣が増す。これも養生の一つであろう。

香には4種類ある。たき香、掛香、食香、貼香がある。たき香とは、いろんな種類の香をたくことである。掛香とは、かおり袋、においの玉などをいう。貼香とは、花の露、兵部郷(掛香用の、数種の香をブレンドした香組の名)がつける香である。食香とは食べて香りのいいもの、透頂香(ういろうのことで、痰の妙薬、口臭を取り除くのに用いる)、香茶餠(なんだろう?調査中)、団茶(なんだろう?調査中)などのことである。

 

58 悪臭をとり除く

 

悪臭を取り除くには、オケラの根茎を乾かしたものをたくのがいい。胡すい(コエンドロの漢名、サンケイ科植物)の実をたくと邪な気持ちをなくすことができる。痘瘡(天然痘などのこと)のけがれを取り除くには、いろいろな草をほしてたくと、大小便の毒素をなくす。(これは、ワクチンを用いないとだめだろう。)手のけがれは、いろいろな草の生葉をもんでぬりこむのがいい。なまぐさい臭いや悪いものを食べたときは、胡すいを食べれば悪臭がなくなる。いろいろな草の若菜を煮て食べれば味も身体にもよい。

 

59 便秘の療法

 

下痢をしやすいのは、おおいに悪い。少し便秘するのはいい。老人の便秘は長寿の証である。おおいによい。だが、ひどい便秘はよくない。胃腸に食物が停滞して腹痛を起こし、食欲がなくなり、病気になる人が多い。このような人は便秘にならないように治療しないといけない。麻の種子や杏の種皮を取り去った中身や、胡麻などをよく食べると、便秘にならない。

 

60 丸薬より早く効く薬の製法

 

身体の上部・中部の病気に使う丸薬は、早く消化するのがいい。だから小さな丸薬を用いる。早く消化させるためである。

もう一つの方法は、粉の薬に糊を加えて一般の丸薬にしないで、線香のように長さ23センチほどにして、手でもんで引き延ばし、線香より少し太くして天日にほす。これは一つすつ丸くしたものより消化しやすい。上部・中部の病気を治療するにはこれがいい。下部に達する丸薬には、この方法はよくない。この方法は、一粒ずつ丸くするよりも早く作れる利点もある。

 

 

 

 

巻第八

 

養老

 

1 真心をもって親を養う

 

子は、親を養うことは当然である。親の心を楽しませ、親の心にそむかず、怒らすことなく、心配をかけない。住んでいるところを快適にし、飲食の味をよくし、真心をもって養わなければいけない。

 

2 子供のように老人を養う

 

老人は、気力体力が衰えているから、胃腸が弱くなっている。子供を養うのと同じように心を配らないといけない。飲食の好き嫌い、適度な温度に保ち、居室を清潔にし、風雨を防いで、冬は暖かくし、夏は涼しくし、よい環境を与えるように心がける。

盗賊・水害・火災などの災難があっても、両親を驚かせないように早く助けてやらないといけない。異変にあっても病気にならないように配慮しないといけない。老人は驚くと病気になりやすいから、注意しないといけない。

 

3 雑事をさける

 

老人は余命も長くないと思う。心配事も若いときのものとは違う。心を静かにし、雑事を少なくし、人との交際も少なくすることが、老人には適当であろう。これも、老人の気を養う方法である。

 

4 心を楽しく

 

老後は、若いときの10倍に相当する早さの感覚で月日が流れる。1日も無駄な日を過ごさせてはいけない。心を静かにし、残った日々を楽しみ、怒ることなく、欲を少なくし、身体を養うべきである。

子は、老人の1日は大切なものであることを心にかけて接しないといけない。

 

5 晩年の節度をたもつ

 

老いて子に養われるようになると、若いときから一緒にいるものに対しては怒りやすくなる。欲深く、子を責め、人をとがめて、節度をたもたない。心を乱すものが多い。そうならないように、自ら我慢も必要である。

若いときに慎み深く節度を守っている人が、老人になると欲深くなり、怒りやうらみが多くなる人が多い。

子としては、このことを念頭におき父母が怒らないように日頃から気をつかわないといけない。父母を怒らせるのは、子として不孝である。また自分の不孝を親に責められるのは、もっとも親不孝なことである。子が父母をうらみ不幸をするのは、悪人である。

 

6 老人の保養

 

老人の保養は、なによりも体力や気力を減らさないようにすることである。呼吸を静かにし、話もゆっくりし、言葉も少なくし、起居・歩行も静かにするといい。怒らず、昔の過失をとがめてはいけない。

また、自分の過ちも後悔しないほうがいい。人の無礼や無理な要求などに怒ったり、うらんだりしてはいけない。これらはみんな老人の道であり、徳行、慎みでもある。

 

7 気を惜しむ

 

老いると気力が少なくなる。気力をへらすことをさけなければいけない。まず、第一に怒ってはならない。憂い、悲しみ、泣き、嘆いてはいけない。葬儀に関わらせてはいけない。死者の家族を訪ねさせてはいけない。また、もの思いにふけさせてはいけない。

もっともいけないのは、多くを話すことである。早く喋ってはいけない。高い声で話したり、高笑いしたり、声高く歌ったりしてはいけない。

遠いところまで歩くのはいけない。早足で道を歩いてはいけない。重いものを持ち上げてはいけない。これは、みんな気力をへらすことになる。

 

8 酒食を吟味する

 

老人は体力・気力ともに弱い。これらを養うことが大切である。子は、この点をよく配慮しておかないといけない。まず親の心にそむかないで、心を楽しませ志を養わせる。

また、食事をするときは栄養のことに気をつかわないといけない。酒や食物は、よく吟味して味のよいものをすすめないといけない。老人は胃腸が弱いので、粗雑で刺激の強いものに弱い。

 

9 寒暑の外邪に用心

  衰弱した老人は、胃腸が弱い。夏期はもっとも注意しないといけない。暑いため、生の冷たいものを食べると、下痢をしやすい。高熱をともなう下痢は、とても危険である。ひとたび病気になると、身体を非常に消耗させてしまう。残暑のときは、とくに注意をしないといけない。また、冬の寒さや風などにも気をつけないといけない。

 

10 老人と五味

 老人は、とくに生で冷えたもの、堅いもの、脂っこいもの、消化しにくいもの、こげて乾いたもの、古いもの、くさいものなどは食べてはいけない。五種類の味(甘・酸・鹹・苦・辛)のかたよりのあるものは、味が良くても多く食べてはいけない。夜食はとくに注意したほうがいい。

 

11 老人と寂寞

 

年老いてから、寂しいのはよくない。子は、ときどきそばにいて、古いことや現在の出来事を静かに話して寂しがらせない。

父母とあまり話さなかったり敬遠したりするのは、きわめて不孝なことであり、愚かなことである。

 

12 温暖の日の散歩

 

温暖な天気の日は、庭園や田畑に出たり高いところにあがったりして、気分を開放的にさせるといい。ときどき花木を愛し、鑑賞させて、心を快適にさせるのもいい。けれど庭や畑、花木に心を奪われて、心労するようなことがあってはならない。

 

13 無理をしない

 

老人は気が弱い。すべてのことに用心するといい。すでに取りかかっている事でも、自分には無理だと思えば、中断してやめないといけない。

 

14 七十歳をすぎる頃

 

年齢が70歳を越えれば、一年を無事に過ごすことだけでも、とても難しい。この頃になると年単位ではなく、日ごとに体力・気力が変わってくる。その変化は若いときの数年よりも激しくわかる。このように衰えていく身であるから、よく養生しないと天寿をまっとうできない。

この頃の年齢になると、一年が過ぎ去るのが、若い頃の1,2ヶ月が過ぎさるよりも早く感じられる。これからあとの年齢が少ないと思うなら、本当に少ないと考えないといけない。

子は、年老いた親には心をもって孝行し、むなしく過ごさせてはいけない。

 

15 日々を楽しむ

 

老いてからは、一日を十日ぐらいに思って毎日を楽しまないといけない。一日も惜しんではいけない。自分の思いが通じなくても、それは自分が凡人だから仕方ないと思い、子弟やその他の人の間違いを許し、とがめたり怒ったり恨んだりしてはいけない。

自分が不幸で裕福でなくても、世の中とはこういうものだと割り切り、憂い悩んだりしてしてはいけない。常に毎日を楽しまないと、もったいないことである。家が貧しく不幸にして飢えて死ぬことがあったとしても、死ぬまで楽しむのがいい。貧乏だからといって、人に文句をいい、不誠実な人間になり命ばかり惜しんではならない。(少しきつい、言い方だと思う。でも老人だからといって、なんでも許されるものでもない。)

 

16 心労をさける

 

老人になったならば、徐々に仕事や人との関わり合いを少なくするのがいい。多くの事に関わってはいけない。多くのことに関わると心労し、楽しみもなくしてしまう。

 

17 朱子の食養生

 

衰弱した人の多くは、飲食過多のために病気になったためである。とくに肉類を多く食べると害になる。朝夕の食事には、肉類は一種類にし、少なく食べる。肉を使った汁物があるときは、副食に肉を使わない。晩食に肉を使わない方がいい。肉を多くとると、食通が悪くなる。肉を少なくすると、胃の負担がへり、経済的にもいい。若い人も、これを守るべきである。

 

18 老人と外出時の用心

 

老人は、大風・大雨・大寒・大暑・深い霧のときは、外出してはいけない。こうしたときは家の中にいて、身を守るといい。

 

19 老人と小食

 

老いると胃腸が衰えて弱くなる。食事は少なめがいい。多食することは危険である。老人の急死のほとんどは食べ過ぎである。若いときと同じように、食べ過ぎると消化不良を起こして病気になり死ぬ。心に決めて過食しないようにすることだ。ねばっこい飯、堅い飯、餅だんご、麺類、おこわ、獣の肉などは消化しにくいので、多く食べてはいけない。

 

20 老人の食事

 

老衰の人は、雑なものを多く食べずに、精のつくものを少し食べるといい。

 

21 老人と食餌療法

 

老人が病気にかかったときは、まず食事療法を行う。それで治らなければ、薬で治療をする。人参や、黄ぎなどの上等な薬は、衰弱が激しい病気ののときは使用してもいい。

病気のないときは、穀物や肉類で栄養をとるほうが、上等な薬を用いるよりもはるかに効果がある。だから、老人は常に味のよい、体にあった食物を少しずつ食べるのがいい。病気でもないのに薬は使用してはいけない。

 

22 間食をさける

 

朝夕の食事を日頃のように食べて、その上に、こなもちや麺類などを若いときのように多く食べてはいけない。消化不良を起こすからである。ただ、朝夕の食事は味をよくして食べてもいい。昼間や夜中、そのほかの時間に食事をしてはいけない。とくに薬を飲むときは、決められた食事の時間以外には食べてはいけない。

 

23 老人と楽しみ

 

年をとったならば、心の楽しみのほかに気をつかってはいけない。時流にしたがって楽しむといい。悩み事がなく、四季の移り変わりや、美しい風景、自然の美しさなどを、楽しむのがいい。

 

24 心身を養う

 

老後、勤めごとのない人は、つねに心と身体を保つことに工夫をこらさないといけない。無益に、努力や技術をおぼえようと苦労してはいけない。

 

25 世俗から去る

 

朝は静かな部屋に座って、香をたき、儒学の教典などを声をだして読み、心を清め、俗念を取り去るといい。

風もなく、乾燥している天気のときは、庭に出てゆっくりと散歩をし、草木を愛玩し、その風景を楽しむ。部屋に戻っても、世事を離れてのんびりとしていればいい。

ときには、机の上や部屋の中の塵を掃除するといい。いつもぼんやりと座っていたり、横になって眠っていてはいけない。また、ひろい範囲で人付き合いをしてはいけない。老人には無理になる。

 

26 静養第一

 常に静かに落ち着いて休んでいるのがいい。無理なことをしてはいけない。老人は少しの労働により損傷、疲労、憂鬱になり、大病を起こし死にいたることがある。注意していないといけない。

 

 

27 あぐらをかくこと

 

老人は、つねに背もたれのあるところであぐらをかいて座っているのがいい。横になって休むことを好んではいけない。

 

育幼

 

28 三分の飢と寒の中で

 

小児は、少し空腹にさせ、少し冷たい思いをさせながら育てるのがいい。

子供だけでなく、大人にもこうした苦労をさせるといい。子供に美味な食事をあたえ、上等な着衣を与え暖めすぎるのは、のちのち大きな厄になる。俗人と婦人は、物事を知らず子を育てる方法を知らない。(言い切ってる。違う人もいると思うけど。)ただ、腹一杯おいしい食事を与え、厚着をさせ暖めすぎるので、子供はかならず多病になり短命になる。貧しい家の子供の方が衣食とも乏しいので、かえって病気になりにくく長命である。

 

29 小児は外に出せ

   小児は胃腸が小さく弱い。病人と同じように、食べ物に気をつかわないといけない。小児は、体温が高いので、熱をださないようにしないといけない。暖めすぎると、骨や筋肉を弱める。天気のよいときは、外に出して、風や日光に当たらせるのがいい。(子供は風の子、太陽の子。と、有名な言い回しです。)身体が丈夫になって病気をしない。着るものは古いものを用い、新しい布や綿の服は体を暖めすぎるのでよくない。

 

30 小児の保養法

 

小児の健康と活力を養う方法は、香月牛山(益軒の弟子、福岡県の医者)の著書『育草』に詳細に述べてある。ここでは省略する。(手抜きだ!)

 

 

31 鍼の効用

 

鍼の効用は、血液の流れを整え、胃腸の働きを戻し、手足の頑固なしびれを取り除く。

また、高ぶる気持ちを抑え、気力をつけさせ、全身に力を導き出す。積滞(多分、血管に関する病気と思う?血のめぐりのとても悪い状態かも。)や腹痛などの急病に用いる。薬や灸よりもはやく回復させることができる。急病でないのに鍼を用いると、逆に元気がなくなる。

血のめぐりをよくし、気力をつけさせると、食事療法や薬の効果を助ける。

血気盛んな状態や、気力を失っている人、汗をたくさん出している人、とても疲れている人、とても空腹な人、とてものどの渇いている人、新に飽ける人?、大変おどろいている人、形気不足?、病気の人などには、鍼を刺してはいけない。

入浴したあと、すぐに鍼を刺してはいけない。酒に酔った人、食事のあと満腹な人にも鍼は刺してはいけない。

鍼は、薬や灸よりもすぐに効果が現れる。鍼の利害をよく検討しないといけない。強く刺してひどく痛む鍼はよくない。また鍼を刺してはいけない人に使用すると、かえって病気を増やしてしまう。注意しないといけない。

 

32 衰弱した老人と鍼

 

老人で衰弱している人は、薬を使った療法・鍼灸・導引(ストレッチ運動のようなもの)・按摩などで、早く病気を治したいと思って激しくするのは厄のもとである。そのときは快適だとしても後で害になる。

 

灸法

 

33 灸の効用

 

人間の活動的な力とは、温かい力である。活動的な力がないと病気になり、血のめぐりも悪くなる。そこで灸による火気の力で、活動的な力を補う。すると気力が出て、胃腸の調子がよくなり食欲が出て、血液のめぐりもよくなり、病気を回復させる。

 

34 艾葉の製法

 

よもぎの葉でつくる、もぐさ(灸で使う燃え草)は、3月3日、5月5日に採る。長いのはよくないので、3月3日に採るのがもっともよい。光沢のある葉を選んで、一葉ずつ摘み取って、ひろい器に入れ、一日中、天日に干してのち、ひろく浅い器にいれ、ひろげて陰干しする。数日後、よく乾いたとき、また日に少し干してすぐに取り入れ、暖かいうちに臼でよくつき、葉がちいさく砕け屑になったものを、ふるいで分け、白くなったものを壺か箱、袋に入れて保存する。

乾いた葉を袋に入れておいて、使うときに臼でついてもいい。茎と一緒に軒につっておくのはよくない。効能が弱くなる。使ってはいけない。3年以上経過したものも使うのがいい。使う前に火であぶり乾かすと、灸の火力が増す。湿ったものはよくない。

 

35 艾葉の名産地

 

滋賀の伊吹山、栃木県の標茅原(しめじがはら)などが、よもぎの葉の名産地である。でも使う時期を逸したものや、できのよくないものは用いない方がいい。ほかの場所でできたものでも、土地のよいところで葉に光沢のあるものは使用してもいい。

 

36 艾ちゅうの大小

 

もぐさの芯の、すえてもらう人が元気なら大きく虚弱体質な人なら小さくする。数を多くするかどうかは、灸をする場所によって違う。

熱さに我慢できない人は、多くすえてはいけない。我慢しすぎると、気力が減り上気して大いに害になる。やせて弱く怖がる人には、灸のはじめの熱の痛みに我慢できないときは、もぐさの芯に塩水を多くつけるか、塩のりをつけて一つの場所に5から7カ所に灸をしてから、いつものようにすると我慢しやすい。

それでも我慢できないときは、灸の初めの5,6カ所を早めにとってしまうといい。そうすると、我慢しやすい。気がのぼせやすい人には、一時に多く灸をしてはいけない。また肌の薄い部分、頭や顔や四肢などに灸をすえるときは、小さいものがいい。

 

37 灸と火の選択

 

灸に使う火は、日差しをレンズで集め火をつけるといい。また火打ち石で、白石または水晶を打って火をだすのもいい。火をとったならば、香油(においのいい油、頭髪などに使う)を使った灯り(ランプのようなもの)に火を移して、その火でもぐさの芯に火をつけるのがいい。あるいは灸を先に体につけておいて、香油を塗った照明のために使う木(松明のようなもの)に火をつけて、その火をもってつける。

松・柏(ヒノキ・サワラ・コノテガシワの類の古名)・枳(「からたち」、ミカン科の落葉低木)・橘(食用柑橘類の総称、ニホンタチバナの別称)・楡・棗・桑・竹などの八木の火はよくないので、用いないのがいい。

(太陽の光をレンズで集めるなんて、まるでオリンピックみたいだ!ようするに、匂いの悪い火で灸に火をつけるのはよくないのだろう。匂いの悪いものは、普通の時に嗅いでも気分のいいものではないし。)

 

38 灸をする姿勢

 

座ってもぐさを身体につけたなら、その姿勢のまま灸をすえる。横に寝てもぐさをつけたなら、同じくそのまま灸をすえる。火をつける順番は、上の方、量の少ない方を先にする。

 

39 灸をするときを選ぶ

   灸をするときは、冷たい風に当たってはいけない。大風・大雨・大雪・陰霧(暗い霧?、気分の悪くなる霧かも、春の霞とは違うようなものかも)・大暑・大寒・雷電・虹(きれいなものだけど、何か関係あるのだろうか。雨上がりで湿っぽいからか?)などの時は、灸をしてはいけない。急病のときは、それらに関わらずしてもいい。満腹、空腹がひどいときや、酒に酔っているとき、悩み悲しんでいるとき、その他不運のときにはしてはいけない。房事は、灸をした前3日、後7日はさけるのがいい。冬至の前5日、後10日間はしてはいけない。

 

40 灸後の食事

   灸をしたあとは、さっぱりしたものを食べて、血のめぐりを良くして落ち着かせるといい。(興奮して血圧を上げてはいけない。)大食はいけない。酒に酔うほど飲んではいけない。熱い麺類、生で冷たいもの、冷酒、体調を変にする食物、消化しにくい肉などは食べてはいけない。

 

41 身体の強弱と艾ちゅうの大小

 

古い本には、もぐさの芯の長さが1センチでないと、火の効果が伝わらないといっている。今でも元気で体格がよく、熱の痛みにたえるひとは、大きな芯で多くしてもいい。

虚弱で元気のなく、肌の肉付きの悪い人は、もくざの芯を小さくして我慢しやすくするといい。数も半分くらいでいい。我慢しすぎると体によくない。

病状や人によって、使う量や多さを決める。古い本に書いてあることにこだわってはいけない。虚弱な人には1日に1カ所か2カ所くらいでもいい。

 

42 灸瘡の処置

   灸をしたあとに、かさぶたができないようでは病気は治らない。自然に灸をしていてもかさぶたができない人がいる。そのときは、人工的につけてもいい。虚弱な人は、かさぶたができにくい。そのときは、赤いネギの青い部分を取り除いたもの3から5茎、糠の熱い灰の中に埋めて熱くし、それで灸のあとを何度も暖める。または、生の麻油(ごま油みたいなものだろうか?)を繰り返しつける。何度も同じ場所に灸をする。焼き鳥、焼き魚、暑いものを食べて、かさぶたを作る方法などがある。灸のあとを熱湯でもって温め、かさぶたを作るもの一つの方法である。

 

43 阿是の穴

   押してみて強く痛むところは、灸のつぼに関係なくある身体中にある。これらは灸をすべきところである。これが「阿是の穴」というのである。人は、奥深い山の奥深い谷とか、山から吹いてくる悪い成分を含んだ風、海辺の湿り気のある悪い場所、悪い成分を含んだ土地などにいて、病気になり死ぬこともある。あるいは疫病やはやり病などが流行しているときなどは、あらかじめ、「阿是の穴」に灸をしておき、寒さや湿り気などから防備しておき、病気にならないようにする。

灸をして、かさぶたを絶やさないようにしていれば、病気になりにくい。しかし灸をしてはいけない場所や、同じ部分に多く、灸をしてはいけない。

 

44 毎日すえる灸の効果

 

胃と膀胱の灸のつぼに一度に多くの灸をすると、気がのぼせて痛みに耐えらないといい、一日に1,2回、それを毎日続けて100回にいたる人がいる。また胃に属するつぼに毎日1回を100日続ける人がいる。

これらは、悪い環境から身を守り、風の影響を防ぎ、のぼせを治し、鼻血を止め、眼をはっきりさせ、胃の調子を上げ、食欲を増進させるので、もっとも有益だろう。

しかし、この方法を書いた医学の本は見たことはない。(つまり、養生訓で初めて書いたと自慢しているのだろう。)でも、この方法で効果があったという人は多い。

 

45 禁灸の日

 

治療法を書いた本の中には、灸をしてはいけない日が多く記してある。なぜ、灸をしてはいけないのか理由は明らかでない。

いろいろな諸説があるが、すべてを信用するはいけない。(だから、どうしろというのだろうか。まあ、理由を説明できないことがあっても守るほうがいいものもあるということだろう。)

 

46 小児への灸

 

小児が生まれてから、まだ一度も病になっていないときには灸をしてはいけない。もし灸をすると、癇癪(脳膜炎ににた症状)をおこす。癇癪を起こしている小児に、第4胸椎・へその横などに灸をしたとき、ひどく痛がるときは一度取り去ってからもう一度灸をするといい。

もし、激しく痛がるようであれば強い癇癪を起こすかもしれないので、注意する。激しく痛むのなら我慢させてはいけない。小児には小麦の大きさくらいの灸をするといい。

 

47 首すじに灸は不可

 

首筋の部分の上部に灸をしてはいけない。気がのぼせてしまうからである。老人がのぼせると、癇癪にずっとなってしまう。

 

48 灸の効用?二月灸と八月灸と

 

胃腸が弱く食通が悪い人、または下痢をする人は、元気が不足しているからである。こうした人には、灸はとてもいい。火の力によって、気力が出て胃腸に元気が戻る。それで血のめぐりもよくなり、食通もよくなり食欲も出てくる。

毎年2月と8月にへその横、へそのすぐ上、第12胸椎の上端、薦骨(脊柱の下端部すなわち腰部にある二等辺三角形の骨)の真中、胃に属するつぼに灸をするといい。第十二肋骨部、第十肋骨部分にも交互に灸をするのもいい。胃と膀胱の灸のつぼにするのは、もっとも効果的である。

胃腸が弱く食通が悪い人は、毎年2月と8月に灸をするのがいい。へその両側6センチ、または4.5センチの部分に交互に灸をするといい。もぐさの芯の大きさと量は、その人の症状、体格をみて決めればいい。

虚弱なひと、老衰の人は灸を小さく、回数も少なくするといい。へその横にするときは、気の弱い人なら1日1回、あるいは2日に1回、4日に2回くらいがいい。一度に多くして無理をしてはいけない。日数がたってから灸をしてもいい。

 

49 灸のつぼ

 

灸のつぼを選んで灸をする。むやみに多く灸をすると気力が減り、血のめぐりが悪くなる。

 

50 頓死者の灸

 

すべての急死した人や、夜にうなされて死んだ者には、足の親指の爪の甲の内側で、爪から少し離れた場所に、5回か7回の灸をするといい。(死んだ人が、これで生き返るとは思えないけど、何か意味があるのだろう。死んだ肉体にもやすらぎを与えられるとでも考えているのだろうか。リアリストには、考えても理解できないことだろう。)

 

51 老人と灸

 

衰えた老人は、身体の下部に力が少なくなる。それで、のぼせやすくなる。多く灸をすると、ますます足腰が弱くなる。とくに上部と脚に多くの灸ををしてはいけない。身体の中部に灸をするにしても、ちいさな灸で、1日に1回か2回、一カ所にたいし10どばかり灸をするといい。毎日回数を重ねて、10回くらいするといい。

しかし、老人といっても人によっては灸に強い人がいるが、用心をするのにこしたことはない。

 

52 病人と灸?ひねり艾と切り艾

 

病人は気が弱くなる。日頃使っている灸の大きさのものでも我慢できない人がいる。こうした人には、もぐさを切って小さくしたものを用いる。1ぐらむのもぐさにして、それを長くのばし、紙に巻いてその端をのりづけし、天日に干し、一日ごとに片方をまっすぐ、もう一方を斜めに9ミリ切り、まっすぐのほうを下に厚い紙を貼り付け、天日に干したものを使う。

灸をするときに、塩のりを下につけてすると、熱の痛さも我慢できる。もぐさの下にのりづけすると、下まで燃えないので熱さは我慢できる。そのようにしたものは、長く燃えるので、身体の内部まで効果がある。

 

53 腫れものと灸

 

危険なできものや悪性の腫れものが、出来始めたときは、早く灸をすると、腫れあがらないで治る。化膿しても、毒が軽くなり早く治る。首筋から上にできたものは、直接灸をしてはいけない。へその横とすぐ下にするといい。腫れものができてから、7日がたてば灸をしてはいけない。

このようなときは、医者に相談して灸をしないといけない。

 

54 灸をする時刻

 

灸は午後するといい。

 

巻第八終

 

養生訓の後記

    これまで書きつづったものは、古い時代の人たちの言葉や内容をわかりやすく言いなおしたものである。また、先輩たちに教わったことである。自分で試してみて効果のあったものは、仮説のようなものでも書き記した。これらは、養女の大意である。詳しく知ろうと思うなら、ほかにたくさんの書物を読むといい。おおざっぱに理解していても、詳しく知らないと養生の道をきわめることができない。私は、昔、若いときに読んだたくさんの書物の中にある養生の術を集めて、弟子たちと項目ごとに分類して、『頤生輯要』(1682年)という書物を編集した。養生の道を進みたいと思う人は、この書物を参考にしてほしい。

 

八十四翁貝原篤信書

正徳三癸巳年(1713)正月吉日 (講談社学術文庫 養生訓を参考にしました。

 

 

 

 

 
 

  

 
     
 

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