ロシアはなぜウクライナの軍事侵攻に踏み切ったのか?その背景を、ロシアの外交・安全保障の専門家などに詳しく聞くと、2つのキーワードが浮かびあがってきました。
俄罗斯为什么要决意进攻乌克兰呢?就其背景详细询问了俄罗斯外交安全保障专家,了解到了关键的两点。
1「同じルーツを持つ国」
2「NATOの”東方拡大”」
1.同根同祖的国家
2.北约东扩
そもそもから、わかりやすく解説します。
现在从源头开始,通俗易懂解释一下。
“同じルーツを持つ国”とはどういうことなの?
所谓的同根同祖的国家又是什么意思呢?
それを知るカギは、30年前のソビエト崩壊という歴史的な出来事にさかのぼる必要があります。
了解这事的关键必需回溯到30年前苏联解体这历史事件。
もともと30年前まで、ロシアもウクライナもソビエトという国を構成する15の共和国の1つでした。
原来在30年前,俄罗斯和乌克兰都是构成苏联的15个加盟共和国之一。
ソビエト崩壊後、15の構成国は、それぞれ独立して新たな国家としての歩みを始めました。
苏联解体后,15个加盟共和国各自独立,开启了组建新国家的步伐。
これらの国では新しい国旗や国歌が制定されました。
这些国家制定了新的国旗和国歌。
ソビエト崩壊から30年たっても、ロシアは同じ国だったという意識があり、とりわけウクライナへの意識は、特別なものがあると言われています。
苏联解体后尽管已过了30年,但是俄罗斯还是有同一个国家的意识,尤其对于乌克兰的意识有点特别。
ロシアはウクライナをどうみているの?
俄罗斯又是如何看待乌克兰的呢?
ロシアの外交・安全保障政策に詳しい笹川平和財団の畔蒜泰助主任研究員は、ロシアとウクライナの関係を考えるうえでは、さらに歴史をさかのぼる必要があると指摘しています。
熟悉俄罗斯外交安全保障政策的笹川平和財団的畔蒜泰助主任研究員指出:要研究俄乌关系,更需要回顾历史。
8世紀末から13世紀にかけて、今のウクライナやロシアなどにまたがる地域に「キエフ公国=キエフ・ルーシ」と呼ばれる国家がありました。
从8世纪末到13世纪,横跨现在乌克兰和俄罗斯的这块区域是一个被称着[基辅公国==基辅俄罗斯]的国家
その中心的な都市だったのが、今のウクライナの首都キエフでした。
其中心城市就是现在的乌克兰首都基辅。
こうした歴史から、同じソビエトを構成した国のなかでも、ロシアはウクライナに対して特に“同じルーツを持つ国”という意識を強く持っていていると指摘しています。
因为这段历史,在构成苏联的加盟国之中,俄罗斯对于乌克兰的这种同根同祖的意识非常强烈。
プーチン大統領は?
普金大总统又是怎样看待的呢?
旧ソビエト時代から長年にわたってロシアを取材してきたNHKの石川一洋解説委員は、プーチン大統領はウクライナを“兄弟国家”と呼び、「強い執着」があると指摘しています。
从苏联时代开始长年采访俄罗斯的NHK石川一洋指出:普金大总统称乌克兰为兄弟国家,而且有强烈的执著感。
実際、プーチン大統領は去年7月に発表した論文の中でロシアとウクライナ人は同じ民族ということを述べています。
实际上,普金大总统在去年7月发表的论文里,就讲述了俄罗斯和乌克兰是同样的民族。
プーチン大統領はいまだに旧ソビエト時代の意識から脱却できていないようだと分析しています。
分析指出普金大总统至今还是没有脱离旧苏联时代的意识。
NATOの“東方拡大”とはどういうこと?
北约东扩是哪一回事呢?
もう1つのカギになるのが「NATO」=北大西洋条約機構の“東方拡大”です。
还有一个关键就是北约(北大西洋条約機構)东扩。
「NATO」は、もともと東西冷戦時代にソビエトに対抗するために、アメリカなどがつくった軍事同盟です。
北约原来是东西冷战时期,为了对抗苏联,美国等国家组建的军事同盟。
当時、東欧諸国などの多くが、経済的に豊かだった民主主義陣営に入ることを望んでいて、その入り口となったNATOへの加盟を望む国が相次いだといいます。
当时东欧诸国中的许多国家想加入经济发达的民主主义阵营,作为其入口的欧盟,也就相继出现了想加入的国家。
実際、1999年にポーランドやチェコ、それにハンガリーが正式に加盟。
实际上,在1999年波兰、捷克、还有匈牙利正式加入欧盟。
また、2004年にバルト3国などが加盟しました。
还有,2004年,波罗的海三国也加入欧盟。
こうした動きを“東方拡大”と呼びます。
这些运作就叫北约东扩。
また、ウクライナやモルドバ、ジョージアでも欧米寄りの政権が誕生し、NATOに接近する姿勢を示しています。
还有在乌克兰,摩尔多瓦、格鲁吉亚诞生的偏向欧美的政权,都表现出接近欧盟的姿态。
NATOの“東方拡大”をロシアはどうみている?
俄罗斯是怎么样看待北约东扩的呢?
畔蒜主任研究員によりますと、ロシアはこれまで、西側から陸上を通って攻め込まれてきた歴史があるため、安全保障の観点から、東欧諸国を“緩衝地帯”だと考える意識が強いようです。
畔蒜主任研究員指出:俄罗斯因为有从西面通过陆路被进攻的历史,所以从安全保障的观点出发,把东欧诸国作为缓冲地点的意识很强烈。
そのため、NATOの“東方拡大”に強い抵抗感があり、東欧諸国がNATOに加盟することも、東欧諸国に軍事施設を設けることを嫌がるのだといいます。
所以说俄罗斯对欧盟东扩有强烈的抵触感,非常厌恶东欧诸国加入欧盟,在东欧诸国架设军事设施。
一方で、ソビエト崩壊後しばらくは、ロシアは感情的に好ましいとは思ってはいなかったものの、否定や反対は明確に表明していなかったそうです。
另一方面,苏联解体后一段时间,俄罗斯尽管情感上没有感到满意,但是也没有表示明确的否定和反对。
転機となったのが、2006年に旧ソビエト時代の債務を完済し、翌年・2007年にドイツのミュンヘンでの演説でプーチン大統領がNATOの東方拡大について初めて公の場で批判したことだといいます。
转机是发生在2006年,俄罗斯还清了旧苏联时代的债务,第二年2007年在德国的慕尼黑,普金大总统第一次在公共场合批评了北约东扩。
その後、ジョージアやウクライナのNATO加盟の動きについても、強くけん制しています。
此后、就强烈牵制格鲁吉亚、乌克兰加入北欧的行动。
プーチン大統領は、最近でもNATOの東方拡大について「約束違反だ」と厳しく批判しています。
普金大总统最近又强烈批评北约东扩是违约行为。 |